なぜこの本を手に取ったのか。
一流大学卒業の学歴が欲しいと漠然と考えていた。
一流大学院を卒業すれば、転職に有利になるのか調べていて本書籍を発見した。
興味深いタイトルだったので、読んでみることにした。
国内MBAはなぜ意味がないのか?
結論、タイトル通り、国内でMBAを取得することはあまり意味がないと主張されている。MBAを取得するなら海外の有名ビジネススクールに行くべしと述べている。
挙げられている理由は2つ
・日本企業はMBAの価値を認めていない
∟慶應ビジネススクールの卒業生アンケートで収入が増えたという回答が最も少なかった。昇給・昇格、転職・就職にほとんど役に立たなかったと言う回答が多かった。
∟早稲田ビジネススクールでもプラスのキャリアチェンジをした人が5%程度
(感想:外資系、経営コンサルティング会社への就職をプラスと定義づけているのであればあまり当てにならない数字かも知れないが)
・国内MBAの教育の質が低い
∟なんちゃってMBAも多く存在している。
例:30単位程度で卒業できる。論文提出不要。
∟あくまでケーススタディにおいて解決策を考えるにとどまり、実践の場を提供できない。
(感想:仕事しながら通えばアウトプットできるかもしれない)
∟実務経験がなくそもそも経営が何かを知らない教員もいる。実務家教員でもビジネスの変化に興味を持たない教員もいる。
国内MBAの代わりに実施すべきこと
国内MBAの代わりに実施すべきこととして、目の前の仕事に全力で打ちこむことに加えて4つの勉強法を紹介している。
1 基礎を身につける勉強
2 潮流についていく勉強
3 現場で感度を磨く勉強
4 アウトプットを生み出す勉強
∟企画書やビジネスプランを書く
∟人に教える
∟本や記事、論文などを書く
最後に次世代リーダー育成として
経験と学習を繰り返すこと、自社課題に挑戦することを薦めている。
これまでの実務経験を踏まえた個人的な見解
私が廃棄物業界で仕事をしていた20代の時、どうにか人生を変えたいと日々悩んでいたが、当時はMBAではなく自分でビジネスを実際にやってみようと思いアフィリエイトに励んでいた。それが広告業界の転職への道を開き今がある。MBAを受講していたら、転職のタイミングが遅れていたかもしれないし、実務経験が乏しいなかでMBAを取得しても転職に有利にならなかったかもしれない。
20代の時は、MBA単科も受講したことがあったが、廃棄物業界の仕事においてはなかなか役に立てるものはなかった。また、単科でレポート書いたり、ディスカッションをした時もまずは基礎知識が欲しいと感じていた。
勉強をするなら身軽な若いうちを言われるが、仕事をある程度こなせるようになり、実務経験を通じてビジネスを理解できるようになってからMBAを考えるでも遅くないかもしれない。むしろその方がMBAの学習効果も高まる気がする。
目的にもよる
国内MBAが良いかどうかは目的にもよるかもしれない。
理論・ケーススタディを学びたいのであれば、代替策はいくらでもある。
日本ではオンライン講座や教材、資格などが学習手段が充実している。
(もしかしたら日本でMBAが流行らないのはそのせいかもしれない)
学歴が欲しいのであれば、やはり一流大学のMBAを目指すべきだろう。
可能な限りインプット、アウトプットを行い、実務でもスキルを身につけた上でMBAを検討するのも良いかもしれない。
ただ、著者が早稲田ビジネススクールの出身ということもあり、内部事情についても触れられていて、国内MBA事情を知ることができたので、大変勉強になった。