ふるさと納税の存在は分かっていたが、返礼品が豪華過ぎると指摘がされていることくらいしか知らなかった。返礼品の紹介は盛んだが、このふるさと納税が自分にとってメリットがあるのか世の中に取ってメリットがあるのか調べてから実践してみることにした。
そこで「ふるさと納税の理論と実践」を読むことにした。これはふるさと納税についての研究内容について書かれた本である。書かれた内容をここで簡単に紹介したい。
ふるさと納税とは
一般の市民が自ら希望する自治体に寄付を行なう制度であり、2000円を超える寄付金は税金から控除されるという仕組みである。寄付金総額は住民税の2割を上限としている。
ふるさと納税普及の要因
ふるさと納税が普及した要因としては、以下があげられている。
・寄附金控除による税務面でのメリット
・各地方の魅力的な返礼品
・ワンストップ特例による確定申告の不要化
・自らの税金の使い道の見える化
ふるさと納税の市場規模
平成25年度時点での住民税が約12兆円なので、上限2.4兆円が最大の規模となり得る。
返礼品のコスト
平成27年度の実績をもとにコストが紹介されていた。
寄付されたお金 1,652.9億円
返礼品調達費 632.6億円
送料 42.6億円
広報費用 14.1億円
決済など 18.1億円
事務 85.1億円
上記を差し引くと自治体に落ちるお金 860.4億円
すなわち全体の約4割が返礼品調達に使われて、自治体に落ちるお金は約52%である。
財務経営のパラダイムシフト
民間企業では国際会計基準を採用しているところは、発行したポイントを販管費ではなく未払い債務として観念せざるとえなくなっているように、ふるさと納税にてポイント制を採用している自治体は、返礼品発送費用が将来の複数年度にまたがる歳出になることを強く意識せざるを得ないとしている。P/LからB/Sへの変換である。
単年度歳入歳出重視という大福調経営から資産負債管理の最適化というバランスシート経営へと自治体の財務経営のパラダイムシフトが加速されることになる。
ふるさと納税による寄付金の集め方も集められれば集められるほど良いというP/L先行型からより良い純資産形成するにはふるさと納税をどう活用するのが良いかB/S先行型にふるさと納税をめぐる財務管理のあり方をシフトしていく効果が期待される。
この本を読んで勉強になったこと
ふるさと納税がいくらどのような用途に使われているのかを理解できた。ふるさと納税がメリットあることは理解できたが、会計の視点でももう少し掘り下げて勉強してみようと思う。
コメント